法学メモ 実定法と自然法

実定法

制定法、判例法、慣習法などのように人間の行為によってつくりだされ、一定の社会と時代において実効性をもっている法規範のこと。

自然法

ヨーロッパにおいては、人間がつくりだした実定法(現実の法)に対して、自然の理あるいは神の意思に基づいた永久不変の法、すなわち自然法が存在するとされてきた。

古代においては、都市国家に共通して存在する、あらゆる人々に共通する法が自然法とされた。

中世では、人間社会の中にも自然界と同様に、神の定めた法則があり、この法則が自然法であるとされた。

近世になると、グロティウスに代表される自然法学者たちは、神の概念を排除し、人間の本性(理性)から自然法を導き出した。そこから生まれた人権をはじめとする諸制度が、現代の法制度にとりこまれることになった。

 

(参考文献)

『現代法学入門』伊藤 正己、 加藤 一郎 編(有斐閣双書 2005)

『法学入門』永井和之、森光 編(中央経済社 2023)

『法学』山田 晟(東京大学出版会 1992)

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