エディプス=コンプレックス フロイト思想の用語

エディプス=コンプレックスとは

エディプス=コンプレックスとは、性の衝動(リビドー)によって自我の発達を説明しようとした、フロイト(1856‐1939)の用語です。

フロイトは、幼児期の男の子は、母親にリビドーを向け、母親の愛情をひとり占めしようとして、父親に敵意を抱くが、このような願望は満たされないので、母親への愛情と父親への憎しみは無意識の中に抑圧される、という説を唱えました。

そして、このような子どもの抑圧された心理を、父親を殺して母親を妻としたギリシア神話のオイディプス王の名をとって、エディプス=コンプレックスと名づけました。

  • オイディプスは、古代ギリシア語「Οἰδίπους」をカタカナにしたものです。
  • エディプスは、オイディプスのドイツ語名「Ödipus」をカタカナにしたものです。

フロイトは、自我を脅かし、神経症(ノイローゼ)を引き起こす可能性のあるコンプレックスの中で、もっとも根本的なものはエディプス=コンプレックスであり、他のコンプレックスは、そこから派生したものだと考えました。

コンプレックスとは、衝動や欲求・記憶などの、さまざまな心理的要素が無意識に複雑に絡み合って形成される、さまざまな感情の複合体のことです。 ふだんは抑圧されながら無意識のうちに存在し、現実の行動に影響力をもちます。

ジル=ドゥルーズ(1925‐95)とフェリックス=ガタリ(1930‐92)は、1972年に『アンチ・オイディプス』を発表し、フロイトのエディプス=コンプレックス論に対する批判をおこないました。

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